天体観測・紫陽花
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家から2人の歳の離れた兄弟が出てきた。 弟のガワは、兄が必死で働いて誕生日──今日買ってくれた小さな玩具みたいな望遠鏡を大事そうに両腕で抱え、草原を歩いていく。 後ろから、嬉しそうな弟の姿を満足そうに眺める兄のトクは、1人でどんどん進んで行くガワに『この辺で良いんじゃないかな』と声をかけた。 望遠鏡の3本の脚を平原に下ろし、トクが月にピントを合わせる。
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