呪縛の家その2

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「お姉ちゃん。。。」 ずぶぬれで、舞子は立っていた。驚く加奈子に舞子は言った 「あんたの言った通りだわ。あなたを捨てて逃げたの。でも逃げることなんてできないのよね」 なんて息苦しい屋敷なのだろう。なのに、からだがなじんでる。そして呪縛という養分を求めてからだから根が張りだしてる様な不気味で久しぶりの感覚だった。 「少しはわかっていたんだね」 加奈子は冷笑した。 「私をここに置き去りにして、独りで楽しい時間を過ごして、さぞ楽しかったでしょうね」 はっと舞子は顔を上げた。加奈子に祖母の影が見えた。 「でも戻ってきた。。。」 舞子はそういうと二階の自分の部屋のドアを開けた。 「!?」 血が部屋中に飛び散って真っ赤になっていた。 いつの間に来たのか、加奈子が舞子の背後から囁いた。 「ペンキよ。塗りなおそうとして、ぶちまけちゃって」 恐怖で立ち尽くす舞子の背後から遠ざかりながら高笑いする加奈子の声がこだました。 冷静に見れば確かにペンキだ。でも、彼女は気付いた。変色したところがあることに。加奈子の血?すでに加奈子は狂気の世界にいってしまったのだろうか?私が・・・私が捨てた報いだ。舞子はうなだれた。
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