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悪戯ではなくSOSだとすれば、上に報告するのは待った方がいいかもしれない。
この作文の主は、他ならぬ永遠子を頼ったのだから。
「私、この作文書いた子探してみる。」
有名なドラマの教師のように上手なアドバイス等は出来ないけれど、頼ってくれる人がいるというのは嬉しい。
誰だって嬉しいはずだ。人並みに。
そう、決して永遠子に教師としての情熱が芽生えたわけではない。
ただ純粋に。単純に、嬉しい。
「未提出の5人に絞って探りを入れるか?」
「誰かを殺したいと思っている生徒か…どうやって聞き出そう。」
「まだ新入生で日も浅いんだ。ここ最近学校で何か問題がなかったどうか調べる、ってのは?」
「人を恨む程の事件ね。分かった調べてみる。」
まるで捜査会議のようなやりとりをしながら永遠子は手帳にメモをとっていく。
最初はただの厄介事だと憂鬱だったが、明日からの『捜査』に不謹慎ながら少しワクワクしていた。
それが今までで一番、『非凡』なことかもしれないと思うと、尚更。
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