予定は未定。

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翌日から、永遠子の《ミスイ》捜しが始まった。 《ミスイ》とは例の作文を書いた人物のことで、「呼び名がないのはこれからの捜査で不便だ。まだ殺人未遂だから《ミスイ》にしよう。」という満の提案によるものだ。 永遠子はまず、5人の未提出者から話を聞くことにした。 その1、吉田 李々(ヨシダ リリ)の場合。 綺麗な長い黒髪にシルバーフレームの眼鏡。 規則をしっかりと守ったセーラー服を着こなし、清潔感のあるその女生徒はクールビューティそのもので。見た目がクールならば言う事も冷たかった。 「作文?…あぁ宿題の。言ったじゃないですか、勉強する暇が惜しいからそんな意味のないもの出しません。貴女が学年主任ならともかく、1年のこんな時期に書いた作文なんて受験になんの影響にもなりませんから。先生はカリキュラム通りの授業だけをしてください。それがお互いの為ではないでしょうか?」 その2、岩岡 晴真(イワオカ ハルマ)の場合。 成り立ての中学一年生なんて、まだどこかあどけなさの残るものだが、彼はそれに該当していない。 身長はすでに176cm。とにかく足が長く、細身ながらしっかりとした筋肉を備えており、もう陸上部に入部届けを出したとか。 三年生にも引けをとらないあか抜けた雰囲気の彼はただ一言で済ませた。 「今回はパス。」
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