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「胡蝶」
叔父さんがあたしを呼ぶ
そんな悲しそうな声で呼ばないで
「大丈夫だよ。叔父さん」
本当は大丈夫じゃない。
泣きそうだけど、叔父さんに迷惑かけちゃいけない
叔父さんの顔が見れない
「すまん...宏は知らないんだ
あんなことがあっ「言わないで...!!」
「お願い...!! 止めて...!!」
今はまだ…
もう少しだけ…
「っ....すまない」
「あっ....」
あたしは人を悲しませる天才だ
不幸にさせる天才だ。
現に叔父さんにあんな顔をさせてしまってる
「ごめん。叔父さん、あたし...」
「.....覚えてるか?胡蝶。
もう誰も、胡蝶を縛らない
自由なんだよ。
胡蝶は自分の人生を好きなように生きなさい」
優しく、哀しそうな微笑み
あたしがさせてしまった
叔父さんは何も悪くないのに
あたしの言葉で叔父さんが傷付く
なんてバカなんだ
「あと、胡蝶
俺まだ、32だ。叔父さんは止めろ」
「分かりました。渉さん」
「クラスは宏の2‐3だ。楽しんでこいよ」
それだけ聞いて、返事もせず、逃げるように理事長室を後にした
ごめんなさい
もっと......もっと強くなるから
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