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「迷った」
本日二回目の迷子
地図もらったんだけど、見方が分かんない
ひろすぎんだよっ!
「ど...したの?」
後ろから男の声が聞こえる
この学校はサボり許されてんのかな?
「迷ったの」
「ま・・・いご?」
「そうそう。それだよ
案内してくれる?」
前を見たまま、喋る
「くら・・・すは?」
「2‐3」
コツコツ
後ろのやつは近付いてくる
「転入・・・生」
「おわっ」
いきなり腕を掴まれ、歩き出す
男に引っ張られて行く
金髪で180あるくらいの身長
顔は見えない
「ちょっ・・・!!
なにすんだよ!!」
突然のことに可愛い声をだせないあたし
「俺と・・・一緒の・・・くらす」
元の道を戻るように歩き出した男
「なるほど」
「手・・・」
「ん?」
「怒ら・・・ないの?」
「連れてってくれるんでしょ?
だったら文句はない」
手握ってることは問題だけど
いわゆる、恋人繋ぎ
「怒ら・・・ない?」
「何で怒るの?むしろ、感謝してる
あのままだったら一生迷ってた気がする」
「い・・・いよ
あそこ・・・」
1つの扉を指さし、そのまま開けた
ガラガラ
「しつれ・・・しました」
そのまま、ズタズタと教室に入ってく男
教室に入ると、
赤、黄色、青、緑、紫など、色んな色の髪と、目の色がたくさんいる
ここは動物園か!?
せっかく頭黒く染めたのに、浮いてんじゃん
「胡蝶・・・人間だ」
うそ、声出てた?
「顔に書いてある
まぁ、いい。どうせ迷子になってたんだろ?
花園ありがとう」
「い・・・いえ」
男は花園と呼ばれた
「そこで自己紹介しろ」
「えーと・・・櫻乃 胡蝶です
よろしくお願いします・・・」
「「「「「女―!!!!」」」」」」
クラスが一斉に叫んだ
煩い。
もしかして・・・ここ・・・
「元・・・・男子・・・校」
「ツッコミありがとう。花園」
「・・・慧」
そこで初めて男と目があった
『花園 慧(ハナゾノ ケイ)』
金髪の髪を肩まで伸ばし、
深い群青色の瞳
鼻は高く、多分モテる顔をしてる
「花園、慧。案内してくれてありがとう」
「慧・・・がいい」
「じゃ、あたしも胡蝶でいいよ」
ガラガラ
扉がまた開いた
「「転入生!」」
そう言い、あたしの背中に抱き付いてきたのは
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