金ぴかの心

本当に？

昨日私を抱きしめてくれた男性が痴漢の手を掴み睨み付けていた。

福岡弁。

『おっさん嫌がっとるばい。その子。』

切れ長な瞳は一向に動くことなく痴漢を睨み付けている。

停車駅に着いた瞬間に

『コイツ痴漢ばい。俺見たとよ。』

駅員に痴漢をつき出した。

逃げようとする痴漢。

『待てや!!お前自分がしたことがわからんと？最低ぞ』

痴漢の腕を掴みもよりの警官に引き渡す。

私はそれを震えながら見ていた。
そのあとのことは
あんまり覚えていない。

手続きやら被害届やら
何だかわからないまま終わった。
全部あの男性がやってくれた。

全てが終わって立ち上がる男性。

(あ…お礼言わんと)

私が遅れて立ち上がった瞬間