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キャプテンクロームは更に前へ踏み込むと、戦士が後ろへと吹っ飛ばされた。その背後から勇者が横へ剣を薙ぐ――キャプテンクロームがしゃがんで剣撃を避け、片手をついて後ろ足を蹴り上げた。勇者の腹、胸、顎に連続で蹴りが直撃し、勇者が後ろによろめく。立ち上がったキャプテンクロームは賢者めがけて走っていく。
「ひっ――ファイア!」
「むぅンッ!」
賢者の放った火球はキャプテンクロームの顔に直撃して爆ぜた。煙の中からキャプテンクロームの顔がぬっと現れ、その勢いを乗せた拳が賢者の腹を直撃した。
「がっ……はっ……」
「この野郎!」
「ぬぉおおおぉッ!」
戦士が剣を縦に振りかぶって、その剣をキャプテンクロームが蹴り上げた。鉄と鉄がぶつかる甲高い音がして、剣が元の軌道を戻っていく。賢者が倒れた。キャプテンクロームは勇者が突撃してくるのを見て、その動きを蹴りで牽制する。勇者の動きが一瞬止まって、その隙にバックステップで距離を取った。
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