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「賢者から離れろッ!」
勇者の剣が水平に空を切り裂いた。キャプテンクロームはもう一歩下がってその攻撃を避けると、鋼鉄の拳を構えた。
(不死鳥の灰で賢者ちゃんを復活させるか?――いいや、そんな事をしていたらその隙にやられる……ここは、前に進むッ!)
戦士が渾身の力を込めて剣を振り下ろす。その攻撃をキャプテンクロームが横にかわすと、
「キャプテン……ナッコォオオオオッ!」
ありったけの力を込めて踏み込み、渾身の力を込めて拳を振り下ろした。戦士の頭に直撃した拳は鉄製の兜を粉砕した。戦士の身体が重い音を立てながら地面に打ち付けられる。キャプテンクロームが踏み込んだ足跡はヒビが走っていた。
「強……すぎる……」
「否、違うな」
「……何だって?」
「我輩は決して強くはない。お主たちが弱いのだ」
「この……!……この……ッ――」
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