登場!キャプテンクローム!

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「……なんなんだ、アイツは!クソッ!」  城の一室、ベッドのある部屋で勇者はいらつきを抑えられず、家具を蹴った。賢者が不安そうな表情で勇者を見る。 「まあ落ち着けって、イライラしても仕方ねぇよ」 「何でお前はそう落ち着いてられるんだ!」 「冷静さを欠いたら判断力を失うぞって、教えてくれたのは勇者じゃないか」 「それとこれとは話が違う!何でだ、何でアイツは私たちの邪魔をする!力がある癖に根性がない!何が英雄<HERO>だ!ふざけやがって!」 「おっ、落ち着こうよ、勇者様……」  賢者の静止が入って、勇者は大きくため息をついた。ベッドの上に座り頭を抱える。 「……すまなかった。2人共、今日はもう休んでくれ」 「……あ、ああ……わかった。俺は隣の部屋、賢者ちゃんは向かいの部屋使うから」 「勇者様……」 「……行こう、賢者ちゃん」 「あ……」  賢者が引っ張られるように、勇者の部屋から連れ出されていった。パタン、と木の扉が閉まる音がした。
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