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勇者は抱き着きながら泣いている白いローブの女性と、ベッドの横で腕を組む鉄鎧を着た男を見た。男がキャプテンクロームの肩をガッと掴み、申し訳なさそうに笑う。
「勇者、この人が俺ら3人を魔王城からここまで運んでくれたんだってさ。そうしなきゃ俺達は本当に死んでたかもしれないんだ」
「そう……なのか……。戦士、賢者……危険な目に逢わせて、ごめん」
「魔王城に乗り込むって言うんだ、危険なのは当たり前さ!それより、申し訳なく思うなら俺とキ――」
『ス』を言う前に、賢者の後ろ蹴りが戦士の股間を直撃した。戦士はめのまえがまっしろになった。
「HAHAHA!みなに好かれておるのだな、勇者殿は」
「当たり前です!」
そう答えたのは賢者だった。キャプテンクロームの方へくるっと向き直り、えっへん、と言わんばかりに無い胸を張る。
「勇者様は誇り高い竜の末裔で、みんなの為に戦ってくれているんです!みんなみんな、勇者様を応援しています!私も勇者様に助けられて、力になりたいって思ったんです!」
賢者の言葉を聞いた瞬間、キャプテンクロームの仮面の下の眼光が鋭くなった。
「……その話は、真か?」
「もちろんです!」「ああ、そうだぜ」「……間違いない」
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