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「……それで、だ」
勇者一行が外に出て、城門の前。キャプテンクロームが道を塞いで立っていた。苛立ちを隠せない勇者が剣を抜く。
「お前、何がなんでも私たちの邪魔をする気か」
「邪魔をしているつもりはない」
「うるさい黙れ!どけ、変態!」
「否!我輩は鋼鉄の――」
勇者が台詞を聞き終える前に、袈裟斬りにしようと手に持った剣で斬りかかった。キャプテンクロームは姿勢を低くしながら躱すと、勇者の横をすり抜けて賢者の方へ駆け抜けていく。
「させるかよォッ!」
戦士が賢者の前に出て、分厚い剣を盾にして行く手を阻んだ。ガキィン!金属音と共に火花が散った。賢者は杖を振り上げて、高らかに呪文を宣言する。
「アプライズ!」
「……ほう、力が増したか。だが――まだ甘いッ!」
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