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「みいちゃんさ、今、恋人居んの?」
「居ません」
「付け入っていい?」
「はい?」
真剣な表情のまま、今度は頬に手を添えられた。
「みいちゃんをこのまま放したくないんだよね。というわけで、みいちゃん、オレの恋人になりませんか?」
「はい?」
「みいちゃんのこと、好きになっちゃったので、付き合ってくださいお願いします」
返答せずにいると、最終的には土下座で懇願されてしまった。
「わかりました」
「いいの? 今更だけど、みいちゃん男だいじょぶ?」
「そこまでされたら、断れないですし、俺、バイなので」
「みいちゃんてさ、お人好しって言われたことない?」
「ああ、よく言われます」
自分ではそう思ってないのだが、よく人が好いと言われてしまう。
何故判ったんだろうかと桜庭さんを窺うと、誤魔化すように頭を撫でられ、優しく抱きしめられた。
「とりあえず、服着てご飯食べに行こっか。これいじょーベッドにいるとまたムラムラしちゃいそーだし」
ムラムラとか言われた瞬間に真っ赤になって離れたのは言うまでもない。
というわけで、事件に巻き込まれそうになったらしい翌日、ゆる~い感じの、刑事の彼氏が出来てしまいました。
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