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繰り返された迫害と戦争で、徐に数を減らして行ったハルー人。
怒りや恨みを世界に向けて晴らす事も出来ず、滅ぶのは時間の問題であった。
しかし彼らハルー人を救ったのは、思いもよらぬ事象であった。
シス教団。
シスとは、この世界セウィドに生命をもたらしたとされる、神の名。
彼らはホマル人の武力からハルー人を庇い、世界に戦争の終結をもたらしたのだ。
そもそもホマル人の中でも、この戦争の正義とは何なのかを問う声が溢れていた。
ただ自分達が魔術を使えないと言うだけで起こした戦争の代償は、余りにも大きかったのだ。
そんな悲劇を繰り返さぬように、ホマル人達は国を造り、シス教団は平和の象徴として語り継がれ、現在に至る様になる。
ここまでがこの世界、セウィドの旧暦の話。
実に550年前の出来事である。
そして現在の新暦550年。
一つの命が、数多の新しい運命を紡ぎ出す世界となったセウィド。
ホマル人の代表の元造られた唯一の国、ラインドヘルム王国の元、人々は豊かで平和な暮らしを送っていた。
そして、現在も戦争を止めさせた平和の象徴、シス教団はその勢力を増して存在していた。
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