2人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃、王宮殿に王妃の姿があった。王の室は広大である。
玉座には豪奢な金箔が施され豪華絢爛で、王の威厳が見事に
玉座に表れている。そこで、王から震撼させられる言葉を言い渡された。
「陛下、今のお言葉とは……」
腹から絞り出すような声だった。
「証拠が出た以上、余は庇いたてることはできぬ。生きて苦痛を味わうより、死をもって楽にしてやろうと言ったのだ」
まさか、王の口から言われるとは信じたくなかった。
王妃の顔がゆがみはじめ、着物を握りしめた。
「陛下、どうか私(わたくし)の話をお聞きください。私は、何もしておりません」
と、声を震わせ必死に訴えた。
王妃の気持ちも分からなくもないが、王とは情で動くことはなく、王妃を軟禁し、王宮殿に出向くことを禁じた。
「私を信じてください。陛下!」
王妃は、床に両手をついて泣き崩れた。
何度も何度も訴えたが、王妃は王宮殿から追い出された。
最初のコメントを投稿しよう!