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自分に殴られると嫌な気分だと篤斗は思った。
由紀は手を腰にあて、「まったく」とため息をついて話しかける。
「そんなことより、明日…というより今からどうするの!?」
その言葉に篤斗はキョトンとなる。
「どうするって…なにが?」
「家とか学校とかどうするのってこと!」
「あ、そっか…」
鈍感な篤斗はそんなことなど考えていなかった。
そしてこの問題をとても楽観的に考えていた。
「じゃぁこの家に二人で住めばいいんじゃね?」
その素っ頓狂な提案に由紀は眉間にシワを寄せる。
「はぁ!?無理に決まってるでしょ?あんたんちの親が許さないでしょ?」
「いや、うちの親は仕事でほとんど帰って来ないから…大丈夫」
由紀は怪訝そうな顔をして訊いた。
「あんたの親、何やってるの!?」
その質問に頬をポリポリ掻きながら答えた。
「うちの親は……一応会社の社長…」
「え…会社の社長!?あんた…金持ちじゃん!」
由紀が驚いた顔で言ってきた。
「あぁ。だから女性の服とかもあるし、部屋もたくさんあるから安心しろ」
「女性の服はあんたが着るんでしょ!」
「あ…そうだった」
とぼけた声で篤斗は言った。
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