46人が本棚に入れています
本棚に追加
「では、こちらにどうぞ。」
姉弟は召し使いに案内され廊下を歩いて行く。
「あの、1つ聞いてもいいですか?」
「なんでしょう?」
召し使いは優しい笑顔で応えた。
「どこに向かってるんですか?どうして招待状があんな森の中に落ちてたんですか?」
「すいません、何も言わずに。このお城には姫様がいるのです。」
「お姫さま?」
「はい。それはそれは美しい姫様です。」
「わぁ~!いいなぁ~!」
「ですが10日前から、姫様は元気がないんです。そこであなた達のような『若く』元気な子とお話でもされたら元気になってくれるかもしれないと私が招待状を出したんです。あなた方のような方に渡るよぅ願って。」
「まっかせといて!お喋りは得意だから!絶対姫様を元気にしてみせるよ!」
「ありがとう。きっと・・・姫様も喜びます。フフフ」
「(な、なんだ今のは?)」
「レン?どうしたの?」
「な、なんでもないよ。」
弟のレンは召し使いが一瞬見せた不気味な顔が気になりながら姉のリンと姫様の元に向かった。
1日に1年たってしまう姫様のもとに。
10日がたち、26才になる姫様のもとに。
25才をすぎてから、その体質が最悪なものと気づいた姫様のもとに。
朽ちゆく体に怯え・・・元気で若い子どもを憎み始めた姫様のもとに
一番アリスに近かった姉弟は行ってしまった・・・。
最初のコメントを投稿しよう!