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「っ……何、今の……」 「凄い光だったね。」 瞳の奥がチカチカする。閃光がおさまったのを感じて目覚めるようにゆっくりと瞳を開きながらあたし達はお互いの存在を確認した。 特に変わった事はないかな。隕石落下ってわけでもなさそうだし、あたし達の身に変化はない。一体今の光はなんだったんだろう。 「れ、蓮ちゃんっ!」 あたしが自分の身なりに気をとられていると、伊織が驚いたような声をあげてあたしの服を引っ張った。 「何、どうかした?」 「な、なんか変だよぉ……」 少しだけ声が震えて聞こえる。伊織の視線の先を辿ればすぐに異変に気づく事が出来た。 「は?何、此処……」 目の前に広がる光景はさっきまであたし達が居た場所とはかけ離れた風情。 古くさい民家がズラリと並ぶ真っ直ぐな道が続いている。造りは木造で、電信柱も電線も何処にも見当たらない。 それどころかコンクリートの壁も、固いアスファルトの道も全部なくなっていた。 そう、例えるなら時代劇。時代劇に出てくる町のセットみたいな町並みだ。 「どういう事?」 「わからないよぉ!ねぇ、蓮ちゃんどぉしようっ……」 伊織は今にも泣き出してしまいそうなくらい声も身体も震わせている。どうしようって聞かれても、あたしだって分からない。 何で町並みが変わっているのかさっぱり理解出来てないんだから。 取りあえず伊織を落ち着かせなきゃ…… こんな時、あたしがしっかりしなきゃっていつも思う。伊織を守るのはいつだってあたしの役目で、伊織はか弱い女の子で、あたしとは正反対なんだから。
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