寿々歌の過去

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「いつまでも、地味でいる気?」 …。私だって最初から地味だったわけじゃない。私だって明るい子だった。 「寿々歌?」 「朱里だって知ってるくせに…。」 「え?」 「私だって好きで地味でいるわけじゃない…。」 「それゎ…。」 「とにかく、地味子から変われ」 なんにも知らないくせに…。 「聞いてんのか?」 「……い…でよ…」 「あ?」 「勝手なこと言わないでよ!私のことなにも知らないくせに!勝手に変われとか言わないで!私だって好きでこんなんでいるわけじゃない!」 「寿々歌…」 「私の気持ちも考えてよ!!」 バタンっ! 「寿々歌!あたし行ってくる!」 「玲音…」 「崚行…。昔の寿々歌の話し聞いてくれる?」 「おう…」 「3年前。寿々歌の家族が殺されたんだ…。寿々歌が学校から帰ったら、お母さん、お父さん、妹、お兄さん…。寿々歌が大好きだった家族みんな殺されたんだ…。しかも、親戚に…。寿々歌ゎ親戚のことも好きだった。大好きな人に大好きな人を殺されたんだ…。」 「殺された…。家族みんなが?」 「うん。その日から寿々歌ゎ変わった。明るい子だった寿々歌が暗い子になったんだ。朱里と僕以外にゎ話さないし。家も1人暮らし。見た目も心もなにもかも、変わったんだ。」 「そんなことが…。なのに俺…変われなんて簡単に…」 「でも、僕たちも崚行と同じ気持ちなんだ。」 「え?」 「前の寿々歌に…。明るい寿々歌に戻ってほしいんだ!」 「玲音…。協力して前の寿々歌に戻させよう!」 「うん!」 ────────────── 「寿々歌!」 「…。」 「ごめん!あたし…」 「もういい。大丈夫だから。」 「でもね寿々歌…。あたし達、前の寿々歌に戻ってほしいの!」 「前の…?」 「うん!明るい寿々歌に戻ってほしい!」 「明るい私…」 明るいってなんだっけ? もうわからないよ… 「お願い!少しずつでいい。少しずつでいいから頑張ろう!あたし達がついてるから!」 「明るい私…。うん…。少しずつ頑張る。」 なんでだろう? 今の私ゎ頑張れそう。 朱里達がいるから? 私ゎ変わる。 明るい自分に…。
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