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小さな頃はまっていた戦隊ヒーローはみんなレッドに夢中だった。
優しくって素直で格好良くって憧れのヒーロー。
でも私はレッドよりも冷静で冷たい印象のブルーやたまに現れて助けてくれるブラックが好きだった。
言葉にすると、どこがいいのって言われそうだけど。
私は要するに。
※※※※※※※※※※※
「…私は私にしか知らない優しさがあればいいの」
中学校の屋上で夢中に恋話を繰り広げていた友人達は私の呟きに首を傾げた。
「変なの」
それはあんまりだ。昼休み、みんなでお弁当を食べながら友人達の恋話にうんうんと聞いていたら私に注目してどんな人がいいか聞いたくせに。
「でも、好きな人とかいたんだね。ひなたちゃん」
「え、いないよ」
私は慌てて首を横に振ると彼女達は笑った。
「またまた~…だって今」
「うん、戦隊ヒーローならって話だよ?憧れでしょ?」
「そこに戦隊ヒーローを出すのはひなたちゃんらしいね」
何故か溜め息をつかれて私は困った。基本的私は話を聞いてる事が多い。
恋話なんてなおさら話に加われない。
だって私は初恋もまだだから。
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