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「あんたって本当によく転ぶね」
「…ご、ごめん…」
そんなに転ぶ所を見られていたと思うと恥ずかしくって穴に入りたい。気をつけてるんだけどな。
「ほら、本」
「あ、ありがと…」
いつの間にか私が抱えていた本は彼が持っていて私は受け取った。良かった破れたりしてない。
「で、返すんでしょ?」
「あ、うん」
私は慌てて図書委員を探して辺りを見渡すと図書室には誰一人いない。私は首を傾げていると夾君が本を私から取り上げた。
「え、あ…の」
「俺が図書委員。あんたの目の前で鍵も開けてたのに本当に鈍いね」
「えぇ!…あ、鈍いって…」
彼が素早く返却していく本と彼を見て私はまた熱が上がっていく。何回私は馬鹿にされてるんだろ。
「で、どれ借りるの?」
「ふえ、は、えっと」
私は慌てて借りようと思ってた本を探しに本棚を見つめる。
このまま彼といると私は風邪を引いてしまう。
それか高熱だ。
「あ、あった」
私は身長よりも高い所にある本を取ろうと爪先立ちになる。早く早くと焦ってもなかなか届かない本。
目的の本は私の身長じゃ届きそうにない。
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