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ぼくの部屋は、国道沿いの六階で、ベランダからは その国道を跨ぐ線路の橋が見える。
雨の夜更けは、水飛沫をタイヤに巻きつける車の音が部屋に届いて、今日一日の、よい記憶 悪い記憶の扉絵を消してくれる。
ここ何日か、好みの酒が甘く感じられるのが困る。
早く消してしまえと、今たまグラスにそれを注いだ。
一日は何で二十四時間で、何で僕たちはその1/3をあちらの世界に頼るのかしら。
僕たちは何故、日の光に尻を押されて、眠気眼にパンを押し込んで、毎朝玄関のドアをあけるのかしら。
国道の雨の日の音は重たい。
タイヤに水が絡まるから。
六階の僕の部屋にも、空気の乾いた休日の朝には、
少し離れた陸橋を渡る、電車の車輪の軽い音が、聞こえるんだよ。
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