汚れのもと

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あるところに天才博士がいた。 彼の研究所はいつも汚い。 そこで彼は、掃除ロボットをつくった。 ロボットのおかげで研究所は見違えるようにきれいになった。 また彼は、ロボットに料理のプログラムも組み込んだ。 天才の手にかかれば、そんなこと容易かった。 またまた洗濯のプログラムも組み込んで、完全な家事ロボットが出来上がった。 しかし、それだけでは終わらなかった。 博士はずっと優秀な助手が欲しいと思っていた。 なので博士は、ロボットに自分並みの頭脳を与えた。 こうして、ここに完璧なロボットが出来上がった。 一人暮らしなど簡単にできてしまいそうだ。 博士の生活は実に楽になった。 どんなに研究所を汚してもすぐにきれいになり、腹が減ったらすぐに一品出てくるのであった。 洗濯も適当に衣類を放り投げておけば、いつのまにかきれいになって返ってくるのだ。 何よりも良かったのは、自分と同じ頭脳を与えたことで研究がはかどることだった。 しかし、ロボット自身はなんだか妙だった。 掃除をしても、研究所はどこもピカピカなのだが、なんだかしっくりこないのだ。 原因を考えていると、博士がどんどん研究所を汚していく。 博士が衣類を散らかしている。 ロボットは最大のゴミを掃除していなかったことに気がついた。 次の日から、研究所が汚れることはなくなった。
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