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【神崎涼side】
まぶたの向こうに光を感じて、俺は重たいまぶたをゆっくり開けた。
凝ったように固まった首を少しだけ動かして周りを見回す。
ここは、どこだ?
無機質な音が聞こえるだけで誰もいない。
腕には点滴、口には酸素マスク。
あぁ、病院かと思った。
すると部屋のドアがガラガラと音をたてて開いた。
「神崎さん!目を覚ましたんですか」
看護士がカルテを持ちながら嬉しそうに言った。
「今、先生を呼んできますね」
そう言って出て行こうとした彼女を呼び止めた。
「……俺、どれくらい寝てたんですか」
「一週間です。だから、本当によかったてす」
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