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「また心の声、ダダ漏れだよ」
真亜子は馬鹿だなと笑われたのに、あたしはうれしくて目をうるうるさせた。
涼が笑ってくれた。
それだけでうれしい。
「…そろそろ大学行く時間だろ?」
時計を見るとその時間だった。
うんとうなずいて涼を見る。
学生である身だからずっと涼につきっきりでいられるわけじゃない。
だからあたしは朝の早い時間と放課後の時間を使って涼に会いに来ていた。
「授業中寝るんじゃないよ」
「ね、寝ません!」
言葉を交わし、あたしは病室を出た。
大学につくと、そのまま教室の机に突っ伏す。
夜寝れないわけじゃない。
涼の看病だって、面会時間が決められているから夜遅くまであっているわけじゃない。
なのに、どうしても疲れが抜けない。
授業が始まるまでのほんの数分の時間でも睡眠に当てたい。
そう思ってしまう。
うとうととしているといつの間にか眠りについていた。
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