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「ねぇ、聞こえてる?」 ふんわりとそよぐ風で顔にかかった茶色い髪の毛を払いながら、目の前の男の人は言った。 彼に言われて、さっき言われたことは聞き間違いではないことを改めて感じる。 「き、聞こえました、…けど」 「けど、なに?」 「なにって…」 いきなり言われても、何が何だかわからない。 たった今初めて会った男の人に「結婚してくれ」と言われたのだ。 すぐ「はい」という人がいるだろうか。
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