プロローグ

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めちゃくちゃなことを思い出しながら、プリントを持ち上げ卓哉は職員室を出ようとする。そろそろ休み時間も終わるころなので、教師たちは授業の準備をしたり、他の教師と話したりしていた。 そんな教師たちを尻目に卓哉が扉を開けようとすると扉の方がひとりでにあいた。思わずよろけそうになる。すると開いた扉の前にひとりの生徒がたっており、卓哉を見下ろしていた。孝之だ。 孝之は卓哉を見ながら職員室の奥の方に目をやり、再び卓哉を見た。 「卓哉、またあの先生に捕まってたのかよ?」 「ああ、このプリント運べてさ」 「完璧こき使われてるな。お前、Mだろ?」 「んなことねーよ。単純に俺がのってやってんだよ。それにやはり女性を助けるのは男の義務だ。」 「それがこき使われてるて言うんだよ。でもお前がうらやましいぜ。」 「あん??何でだよ??」 「だってなあれだけの美人先生がどんな些細な用事だとしても自ら呼び出すやつてお前ぐらいだぜ?俺らにも指導はしてくれるし差別とかしないけど何やかんやでお前みたいに用事で呼び出されるやつなんていないもんな。」 そういうと孝之はプリントの束を半分持ち上げ抱え上げてくれた。 孝之から見てもそう思うのか。あまり得した気分でもないんだが。 そんなことを思いながら卓哉は孝之のあとについて廊下を歩き教室に向かった。 急がないとそろそろ授業が始まってしまう。
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