3章─理解者

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「だが、その日彼女はアイツの恋人だと勘違いされ誘拐された。 相手は重度のヤンデレ。 俺は必死で探したが、アイツが先に倉庫で見つけ、ヤンデレを説得し彼女を取り返した。 だが、ヤンデレはナイフを持ちアイツに向かっていった。 心中でもするつもりだったんだろう。 彼女はアイツの身代わりになり、心臓を一突きされ、死んだ。 彼女の最後の言葉は 『…ひかる、…愛してるよ。』 だったそうだ。 俺は最後に息を引き取った彼女を見て理解した。 彼女は…空は俺を愛そうとはしなかった、ってな。 彼女に裏切られ、また大切な人を失った俺は暴走した。 …倉庫は全壊、残ったのは鉄屑だけ。 ヤンデレは気絶。 アイツは彼女の遺体を連れて逃げた。 暴れまくった俺は、そのまま山に向かい破壊衝動にかられ、3日3晩暴れまくった。 気づいたら、じいちゃんの家にいた。 恐らく、途中でエネルギーを使い果たし気絶したんだろう。 首にはこれがかけられていた。」 ネックレスを触る。 「4つのリングで俺が暴走するのを防いでいるらしい。 簡単に言うとリミッターだな。 俺は闘う時には何個か外す。 加減が効かなくなるのがキズだけどな。 暴走した俺は、今までの学校にいるわけにもいかず、こっちに引っ越した。 じいちゃんに家賃は払ってもらっているが、他は全部自給自足だ。 引っ越してからは、自己を制御するため修行の毎日。 性格も変わった。 一人称も「俺」にかわり、周りを威圧し、人を信じにくくなり、 味覚障害になって、 最大の目的を立てた。 …こうして、主人公から脇役へ、脇役から今の俺になったわけだ。」
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