17章─幻の夜

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── 「ね、ねー……幻兄?」 「どうした、凛?」 俺はソファに寝転んでTVを見ていたが、起き上がる。 「本当にお姉ちゃんと結婚するの……?」 「あぁ、俺は本気だ」 今、優梨は風呂に入っている。 タイミングは今しかないと、俺の元へ来たわけか。 「……そう、お姉ちゃんを……絶対に幸せにしてあげてね……」 俺は無言で立ち上がり、凛の頭に手を置く。 「カワイイ妹の言うことだ、優梨は絶対に幸せにする」 俺は凛の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。 「きゃっ! もう、やめてよ幻兄!」 「フン、やめねーよ」 ガチャッ! 「ふぅ~、良いお湯だった~ あれ、二人とも仲良いね~」 「だろ? 俺は妹には優しいんだよ」 「そんなわけないわよ!」 凛はそう言うと、またまた自室へ走っていった。
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