1603人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと、サフィル様は――」
「サフィルでいいですよ」
「サフィルさ「サフィル」……サフィルは俺を間違いで殺したと言いますが、あの子供は生きているんですよね?」
無理矢理サフィルと言わされた気がする。
いや、だって目の笑っていない笑顔で言われたら従うしかないだろ?
「はい。あの子供は生きています…本当だったらあの子供が死んで桜姫様が生きる筈でした」
「…生きているのか…良かった」
まだまだ未来のある子供が生きてくれたんだ…。
それに、助けても子供が死んじゃ意味がないからな。
「本当に桜姫様はお優しいのですね…」
「…そうですかね」
友人に優しすぎと言われ続けてきたが…俺は優しいのだろうか。
自覚はしたくないが。
「あ、タメ口でお願いします」
「いえ、それは「タメ口」………わかった」
また目の笑っていない笑顔で言われた。
凄く怖かったから従うしかない。
「サフィルもタメ口で頼む」
「…わかったわ」
対等な条件だと感じたのかサフィルもタメ口になった。
「さて、俺はこれからどうするんだ?天国か地獄に行くのか?」
最初のコメントを投稿しよう!