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結局おれは、彼女のことなんて、何にもわかっていなかった。
何一つ、わかろうともしていなかった。
今までも、いつだって自分のことばかり。
彼女の哀しみも苦しみも全部知っていたつもりで、
それを理解していたつもりで、
すべてが独りよがりの勘違いで……
りなのためのつもりだったのに、
りなのせいにしていた。
自分の哀しみ苦しみを、彼女のそれと同等以上に扱い、
心が痛むと被害者ぶって、
自分のふがいなさで被害妄想に陥り、嘆くばかり。
なにも……
なにひとつ、わかろうとはしていなかったんだ。
気持ちがそばにありさえすればいいだなんて、
それだけでいいわけがなかったのに。
忘れないでいてくれればいいなんて、そんな自己満足な思いを持っているだけでいいわけがなかったんだ。
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