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「おれがお前を想ってさえいればいいんだって、それだけでいいんだなんて、独りよがりな甘えで、お前を縛ってた」
「……」
「お前は優しいから、おれに責任を感じてほしくなかったんだろう?」
「……」
「心が弱いだなんて、そんなことはない。
おれのことを考えてくれていたから、何も言わずに抱え込んでいたんじゃないのか」
「……っ、違うの……!」
おれの言葉を否定するように声を張るりなは、さっきよりも大きく頭を振った。
「わたしが自分本位だったの!
そうちゃんのためを思ってだなんて、わたし、そんなにいい子じゃない……っ。
そうちゃんとの繋がりがほしくて……
むしろ、わざと責任を負わせようとさえ思ってた……!」
心を吐露するりなの声は、その心情を表すように震える。
「そしたら、ずっとそうちゃんのそばにいられるって。
責任を押し付けた形になっても、それでそうちゃんがどんな気持ちになっても、ふたり一緒にいられるんじゃないかって……
周りのことも考えずに、自分勝手な想いだけで……ッ……」
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