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おれはいつものことだと呆れつつ、窓際に佇むりなに、そっと手を差し伸べた。 躊躇うことなくおれの手を取るりなは、にこりと笑みを浮かべながら靴を脱ぐ。 部屋に足を上げるりなの握り締めた小さな掌を、く、と引き寄せると、 「……会いたかった……」 引き寄せた反動で、甘い香り纏う華奢な身体がおれの胸に飛び込んできた。 きゅ、と胸元に摺り寄ってくるりなに、溢れ出す愛しさと膨れ上がる欲求を、冷ややかな理性で抑え込む。 『会いたかった』なんていうほど、久しく会ってなかったわけじゃないし…… 「今、そこで別れて帰ってきたばっかだろ」 「……そうちゃん、冷たい……」 抱きついたりなが、ぐりぐりと胸元に顔を埋めてくる。 おれがどんだけ我慢してるか分かってるのかよ……
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