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Side・永久
『…………これから1年、よろしくね。』
そう言った先輩の顔を、俺は思わず2度見した。
あの頃の先輩に戻った気がしたから。
でも、2回目に見た時には、一歩引いた笑顔になってたけど……
アキ先輩がいなくなってからの先輩は、それはもう、見るに堪えない状態で………
それが、ある日突然、何があったかは分からないけど、俺達に笑顔を見せてくれるようになった。
でも、今までの先輩の笑顔とは、全然違って………
俺も椿も、何も出来ない事が悔しくてたまらなかった。
だから、先輩から生徒会に誘われた時は、本当に嬉しかった。
少しは頼ってもらえてるのかなって。
傍にいれば、先輩の本当の笑顔を取り戻す手伝いが出来るんじゃないかって。
俺は先輩のお陰で、幸せを手に入れる事ができた。
家の事もそうだし、椿の事だって先輩がいなきゃ………
俺が、今、幸せだって思えるのは全部先輩のお陰って言っても、過言じゃない。
だからって訳じゃないけど、先輩には幸せになってもらいたい。
本当に、心からそう思ったんだ。
Side・永久・end
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