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右隣りに君が居る
繋がれた手をほんの少し、強く握った
『ん?』
「いや」
ちょっとしたことでも、気付いてくれる
そんな君を救えて、よかった
互いが互いの命を救った
「この命、寿命が来るまで大切にしないとなぁ」
『私だってそうだよ。君が庇ってくれなかったら、私たち、此処に居なかったかもしれない』
「…私…たち?」
『あ……あの日、言うつもりだったんだけど…。』
そう言って僕の手を自分のお腹に触れさせた
『パパ、護ってくれてありがとう』
ふとそう聞こえた気がした
『赤ちゃん、私と〇〇の』
そうか…あの時、微かにもう一人、存在を感じた
―お前だったのか―
僕は改めて思った
何が起きようとも、この子が産まれて、成長し大人になり、君と一緒に孫を抱いて、また大きくなっていくのを、寿命が来るまで歩んでいこう―
―愛してる―
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