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「ちゃんと聞いてくれ」
君の手が僕の手を包み込む必死に、そして優しく
君の瞳が僕の瞳をとらえる
―ドクン、ドクン
鼓動は速くなる
目が離せない
君の唇が開く
「…好き、なんだ。お前を、…いつからかとかわかんねーけど。とにかく好きでたまらなくて、それで、それでっ…」
いつも冷静な君が、こんなにテンパってるなんて
クスッ
思わず笑ってしまった
「な、笑うこたぁねーだろっ」
「ごめんごめん、思わず」
一気に不安も緊張も消えていった
残ったのは…
「……僕も、大好き」
満面の笑顔で返事を伝えた
「だ、大好き…とか…」
君の顔が夕日に負けないくらい染まってく
「おれの方がもっと…」
「ん?なんか言った??」「なんでもねーよっ」
急に立ち上がり、右手を差し出した
「?」
「ん、送る」
「!」
僕は君の手をとり立ち上がる
夕日に照らされながら、僕等は坂を下ってく
長い影と短い影
偽りじゃない、本当に繋がってるんだ
これから君との日々は、いつもと変わらないかもしれない
そう、変わらなくてもいいこの気持ちも君と一つなって、当たり前になる
それは君と過ごした、幼なじみという切っても切れない縁とよく似て
変わってしまうより、今のこの安定感、安心感が僕等にはちょうどいい
―ねぇ、今結び直した糸
切ったら覚えてなさい―
なんて冗談で思ったてたら
「ぜってーはなさねーから、…心配すんな」
そう言って僕の手をしっかりと握り返した
また、読まれた…
「うん」
繋がっている
昔も今も
そして、これからも―
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