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私はふふふと笑う
(動揺してる、動揺してる)
ワクワクしながら
「要くん、顔が赤いけど、どうしたの?」
「シャ……シャワー、浴びる? 身体、冷えてるよね、冷えて、風邪引かないうちにシャワー、浴びてきなよ!!」
慌てた様子で要くんは、私の手を引いていて、浴室まで引っ張って
「お!? ん!! あーれー」
私を押し込むと
「ごゆっくり、着替え用意するから!!」
ピシャリと扉を閉めてしまった。
「からかい過ぎたかな」
扉に寄り掛かり、てへっと舌を出して
冷えた身体を温めるために衣服を脱いで熱いシャワーを浴びた。
「………」
身体は温まるのに、心は急速に冷めていく。
サーサーと、心の雨音が聞こえてくるようだった。
「何、浮かれてんだろ、ばかみたい」
ポロポロと涙が溢れて、ごしごしと拭う
けど、涙が止まらない
「あのー、着替えここ置いとくから」
扉越しに要くんの声がする。
(優しいな、要くん)
優しいけど、その優しさは反則
(自覚してんのかな)
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