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扉を開くと、Tシャツと短パンが畳まれて置かれていた。
下着は、もちろんない
(仕方ないか)
一人暮らしなら当然だろう。
(あったら、あったで驚きだよね)
ちょっと、大きくて、汗の匂いがする。
何だか、ほんのりと暖かくなった、目頭が熱くなる
(涙もろくなったな、私)感慨に浸っていると
居間のほうから、コーヒーの香りが漂ってきた。
自然と、そちらの方に歩いていく
「あ、コーヒー、飲む?」
カップを二つ持った要くんが待っていた。
「うん、ありがと」
お礼を言って
テーブルを挟んで真向かい座り、コーヒーを啜る。
コーヒー特有の苦味だけど、後味がない、すっきりとした味
「美味しい」
ためらいもなく、口からこぼれ落ちた。
要くんは、何も言わずにコーヒーを啜っている。
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