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「後悔しない?」
要くんは、私に押し倒されながら
「僕には、君が無理してるように見えるよ」
真剣な面持ちで言って
真っすぐ私の目を見て、要くはもう一度
「後悔しない?」と聞いてくる。
「なら、なんで、キスしたの?」と、聞き返す。
(何で、そんなこと聞くの? やめてよ
言いなりになればいいのよ)
「綺麗だから、君がとっても綺麗だから、キスしたんだ」
「………本気?」
「うん」
照れ臭そうに視線をそらす、要くん
「そこで、照れないでよ」
そのまま、要くんの横に寝転び
「腕枕~~」
すりすりと擦り寄り、(暖かいな)
「………名前」
ぽつりと呟く、要くん
「なに?」
「名前、聞いてなかったなと思って……」
「立花[タチバナ]立夏[リッカ]、立夏でいいよ」
「立夏」
「うん、立夏だよ」
さらさらと、私の頭を撫でてくれる。
優しく、撫でてくれる
「よしよし」
何も、聞かないまま撫でて、私をまた、泣かせてくれる。
「泣いていいよ、立夏」と、言ってくれる
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