俺のマニュアルを推奨する

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 周囲からは見えないはずなのに、近くのパラソルで隠れながら、その様子を監視しようとする俺。カメラを持つ手にも、自然と力が篭る。  奴らの事だ。きっと調子の良い言葉で人気の無い場所まで誘っていき、そこで生命の神秘をおっぱじめるつもりなのだろう。  まあでも、彼女達は愚かじゃない。彼等の思惑通りには行動しないはずだ。  しかし、もしもという場合もある。万が一、彼女達が彼等に根負けしてホイホイ誘われてしまったら、そこに待っているのはNTRという新たな境地だ。  そういえば、インドの超売れっ子俳優に『NTR・Jr.』っていう人がいるんだけど、俺、普通に『ネトラレ・ジュニア』って読んでたわ。男でその名前って、それ何てアッー!!  ぶっちゃけ、俺の心のどこかには、このまま誘われた彼女達がどうなってしまうのか、その一部始終を見てみたいという気持ちもある。で、あわよくば、その様子もカメラで撮影、的な。  と、こうなってくると、今度は別の不安が脳裏を過ぎってきた。こいつら、ちゃんと彼女達を『行儀よく』召し上がる事が出来るのかだろうか? はっきり言って、そんな紳士的な行為が彼等に出来るとは、正直……。  だとしたら大変だ。俺の危惧する事が杞憂じゃないとすれば、とてもそんな奴らに近付いて欲しくはない! 触るとか以っての外だ!!  俺は直ぐさま駆け出していた。
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