カキ氷

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水色の器に雪山を思わせるほど山盛りに入れられたカキ氷。 風呂上り縁側で食べる真夏にだけ許される最高の贅沢。 たっぷりかけたメロンシロップに頂上から真っ白な練乳をたらす。 銀色のスプーンで裾野の辺りをこぼさないようにと慎重に混ぜ合わせる。 まずはメロンシロップだけの部分を掬ってみると銀色のスプーンが薄っすらと白く曇る。 一口放り込むとサッパリとした甘味とメロンの香りが口中に広がって行く。 今度は練乳だ。 とろりとした食感に濃厚なミルクの味。 強烈な甘味は次の一口を急かせている。 最後は全てを混ぜ合わせスプーン山盛りにして一気に口へ。 ミルクとメロンが合わさり絶妙な甘さにメロンの香りだけが鼻に抜けていく。 キーンと襲う頭の痛さに夏の暑さを一時だけ忘れることができた。
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