Guard1

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「真城は恋愛したことあるの?」 「えっ‥ どうして?」 「ううん。 真城に聞いたことなかったから、聞いてるんだけどさ」 「俺は今恋してる最中だよ。」 「そ、そーなの!?」 「そーだよ。 俺だって恋人ぐらい作るよ」 「そ、そんなぁ‥ 私の気持ちはどうすればいいの?」 「芽依の気持ち? そんなん友達としての好きだろ。 沙耶ちゃんと同じ感情の方だと思うけど?」 「じゃあ、友達としての好きなのかな?」 「芽依の気持ちはその程度だろ。 俺は好きな子を取られるのも嫉妬するし、他の奴と仲よさげにしてたらイライラするよ」 「真城の好きな人って、誰? 私の知らない人?」 「…さぁ?」 「えっ!? 真城の好きな子だよ?」 「…えっと、今日の二限目は確か」 「ちょっと! 真城、最近生意気」 「芽依は相変わらず我が儘」 「うぅ‥ それを持ち出すなんてズルい! 格好良くなってせこい」 「は? それはよく分からないんだけど、俺って格好いい訳?」 「うぅ‥ 何で分かってるくせにそんな風に聞き返すかなぁー 真城、ずる賢い」 「芽依は阿呆だろ?」 「もぉー 意地悪王子めっ」 芽依と真城が本日も言い争いをしていると、沙耶が校門で苦笑気味に手を振っていた。 「沙耶、おはよっ」 「おはよっ 真城くんは今日もイケメン全開ね」 「沙耶ちゃんも綺麗ですよ?」 「お世辞が上手いこと」 「お世辞じゃないですよ?」 「煽てても何も出ませんからね?」 「沙耶、真城と話さないで! 真城は意地悪王子なんだから」 「ふぅーん? そうなの、真城くん」 「さぁ? 芽依ちゃんの言っていることは意味が分かりませんよ」 「だってよ、芽依」 「うぅ‥ 」 芽依が真城に振り回されて悔しがっていると、真城はニヤリと笑った。 「ま、真城‥ ちょっと話しがあるんだけど」 「悪いな。 一限から体育で移動なんだ‥ 沙耶ちゃん、芽依を頼むね?」 「えぇ、任せて」 沙耶がニコッと微笑んでそう告げると、真城もニコッと微笑んで校舎へと入っていった。
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