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「あ、マッシィー」
「拓巳、またそんな事させてんのか?」
「紅羽がやってくれるって言うから‥」
「全く、教師に見つかったら怒られかねないぞ?」
「拓巳、体育だし行かないと‥
それにまた後でするから行こっ?」
獅童 紅羽がそう促すと、安藤 拓巳は渋々頷いて更衣室を共に出て行った。
「真城‥
アイツら、デキてんのか?」
「違うよ。
拓巳が紅羽にマッサージ頼んでるだけだよ」
「あ、そうなんだ。」
夕輝は何か勘違いしていたようだが、真城は素早く着替えに入る。
「真城は芽依ちゃんと毎日一緒なんだよな?
キスとかしたくなんねーの?」
「ならないよ。
まだそんな段階じゃないしな」
「真城、大人‥
待てる男なんだな」
「一応、雇い主だから‥
まあ向こうが惚れてるなら問題はないけど微妙だしな」
「芽依ちゃん、お子様なんか?」
「まあ、まだ子供だしな。
恋なんていつ出来るかは個人差あるから‥」
「まあな」
夕輝がコクコク頷いて納得していると、真城は先に更衣室を出る。
「ちょっと真城!?
待ってよ」
「早くしろ。
遅刻すんだろ」
「何で俺には冷たい態度なんだよぉー」
夕輝がそうやって吠えていると、芽依がこちらに沙耶と歩いてくる。
「真城、体育なんだっけ?」
「そっちは家庭科?」
「うん。
自信ないけど、沙耶と頑張ってみる」
「ん、期待しないでいるよ」
「えぇー
ちょっとは期待してよ」
「うーん?
沙耶ちゃんには期待しとこうかな」
「ふふっ
真城君、私には先約があるから芽依に貰ってね?」
「そっか‥
胃薬準備しとくわ」
真城がフッと微笑んで意地悪を言うと、芽依はプクッと頬を膨らませて拗ねる。
「何か、夕輝と芽依は似てるな?
ガキなんだな」
「えぇー
何でこんな人と似なきゃなのよ!」
「誰がこんな我が儘お嬢様と似たいと思うかよ!
御免だぜ」
夕輝と芽依が互いに嫌がっていると、真城は芽依の怒った顔をプニッと弄ぶ。
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