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「真城って呼んでいい?」
「えっ?
何で名前なんだ」
「呼びやすいもの。
いいでしょ?
私のことは芽依でいいから」
「あんた、お嬢様だろ。
そんな呼び方出来るかよ」
「えっ?
何でお嬢様ってわかるの?」
「服装。
それにこの車、リムジンだろ」
「わかっていたのね?
真城は鋭いね」
そう告げるとこのお嬢様は運転席の方へと移動してしまった。
「琉珂ぁー
真城、連れて帰っていい?」
「はい?
な、何を仰っておられるのですか」
「ダメ?」
「駄目ですよ。
一般人だし、彼にもご家族が…」
「琉珂は私の命令聞いてくれるんだったわよね?
これは命令よ」
「しかし…
彼は嫌がっていますよね?
あの顔は」
「真城、嫌なの?」
「嫌って言うかさ?
俺、一応兄貴と妹が居るんだけど?」
「そうなんだ。
ご両親は?」
「…いない」
「えっ?
じゃあ、どうやって暮らしているの?」
「俺は…
やっぱり帰る」
「えぇー
何でそんな冷たい事言うの!
じゃあ、ボディーガードになって」
「ボディーガード?」
「あなた、強いんでしょ?」
「何でそう思ったんだよ」
「…だって、不良だったんでしょ?
金髪だし」
「調べたのか」
「とりあえず、家に着いたから中で話しましょう」
「えっ?
ちょっと待てよ」
俺がそう言っても無理矢理車から降ろして、予想通りのでっかい屋敷に招かれた。
屋敷に入ると、何故か風呂にほたり込まれて髪を染められてしまった。
「な、何で勝手に染める!?」
「芽依様に仰せつかったからです。
少し切りますが良いですね?」
「うっ
勝手にしろ」
俺はもう諦めて執事の琉珂って奴に、あれよこれよと変えられた。
「黒髪、似合うじゃないですか?」
「まぁな?」
「口調は治りませんかね?」
「無理。
俺は元々こんなんだ」
「これじゃ、執事にはなれないですねぇー
ボディーガードならまあいいですか」
琉珂は呆れたような顔をしていたが、髪も綺麗に散髪して乾かしてくれた。
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