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あの出会いから時は過ぎていき、俺は高校3年になりボディーガード業も慣れたもんだ。
「琉珂ぁー
今日は巻き髪にしたい」
「畏まりましたよ、お嬢様」
「ねぇ?
真城はどうしたの?」
「お弁当を作ってくれていますよ。
彼は器用ですよね」
「うんっ
真城、大人っぽくなったよね」
「芽依様。
もしかして、真城くんを好きなんですか?」
「えっ?
私が真城を好き?」
「毎日、仲睦まじくしておられるので恋人みたいですよ。
違うならいいのですが」
「琉珂は恋してる?」
「イエ。
私は執事なので、恋はお休みしておりますから」
「ふぅーん?
琉珂もイケメンなのに勿体ないね」
「芽依様。
髪の毛仕上がりましたよ」
「うんっ
いつもありがとう」
芽依はそう告げると、琉珂の頬に軽くキスしてニコッと微笑むが琉珂は頬を染めて照れる。
そんな中、真城がノックして入ってくるので琉珂はパッと顔を真顔に戻していた。
「おっ
寝坊助なお嬢様は今日は早起きだな?」
「ま、真城!
えっと」
「ん、どうした?」
「お弁当作ってくれてたの?」
「あぁ。
もう慣れたから、すぐに完成した」
「そっか?
真城は器用ね?」
「芽依も料理頑張ってみたら出来るんじゃない?」
「うっ
真城みたいに上手くできないよ?」
「じゃあ、教えてやる」
「琉珂、料理挑戦していい?」
「芽依様がやってみたいのであれば、指導願えば宜しいかと?」
「うんっ
真城、お願いしていい?」
「畏まりましたよ、お嬢様」
「な、なな!?」
「ほら、急いで朝食食べないと遅刻する」
真城はフッと面白そうに微笑むと、芽依はギュッと腕にしがみついて歩き出す。
「芽依、歩きにくいよ?」
「真城とくっついてるの好きだもん」
「俺は彼氏じゃねーんだぞ?
やめとこうな」
俺がそう告げて芽依を腕から剥がそうとすると、芽依は力強くしがみついてきた。
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