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「芽依?」
「真城、お願いがある」
「何だか嫌な予感するから、却下」
「えぇー
まだ何も言ってないでしょ!」
芽依がムスッとした顔で真城を睨むと、真城は芽依を椅子に腰掛けさせてこう告げる。
「なら、とりあえず言ってみれば?
多分却下だけど」
「あ、あのね?
私は真城の事大好きだし、彼氏に…」
「…却下。
質問は以上だな」
「ま、待って!
ならタイプが知りたい」
「…タイプねぇー
まあ、我が儘ばっかり言わない子かな」
「えぇー
私、全否定!?」
「我が儘お嬢様だしな?」
「そ、それは仕方ないでしょ!
私は命令するのも仕事なんだから」
「…そーなのか?」
俺は琉珂に確認するようにそう訊ねると、琉珂はニッコリ笑ってこう告げる。
「確かにお嬢様の命令には背きません。
しかし、確かに我が儘になってきてますね?」
「えぇー
琉珂までそんな風に言うの!?」
「とりあえず、今日からは徒歩で学校へ通って下さい。
普通に過ごしたいのでしたら、それもいい経験になりますよ?」
「うぅ
わ、わかった」
芽依は渋々頷くと、朝食をモグモグ食べ始めると満足そうに笑う。
「それにしても、お淑やかなお嬢様ばっかだって俺は思ってたんだよな」
「な、何それ!
私もお嬢様なんだよ」
「うん。
それはそーなんだけど、芽依は何か野性的?」
「や、野性的!?」
「あぁ。
そんなイメージなんだよ。
元気過ぎるしな」
「真城は元気な子は嫌い?」
「ギャルは嫌い。
まあ、芽依は普通だし嫌いではないけど?」
「本当!?
じゃあ、彼女に‥」
「…んーと、今日の一限は」
「真城ぉー
ちゃんと最後まで聞いてよ」
「やだ。
大体、今日はどうしたんだよ?
そんな話珍しい」
「だって、真城モテるのよ?
女子がみんな夢中なんだからね」
「だから?」
真城が興味なさげにそう返すと、芽依はムッとした顔でまた喋りだす。
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