Guard1

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「真城、身長伸びたよね?」 「あぁ。 芽依は縮んだ?」 「ち、縮んでない! 真城がおっきいんだよ」 「ふぅーん? 縮んだのかと思ってた」 「えぇー そんなの酷い」 「芽依? ちゃんと前見て歩け。 ぶつかるぞ?」 「うっ」 芽依は前を真っ直ぐ見て歩くと、綺麗な横顔が見えた。 芽依は黙ってればいい女に見える。 まあ、可愛いから男子には人気あるんだけどボディーガードは適任かもな。 傍にいて護れるし、俺は雇われて今更だが感謝している。 「ねぇ? 真城って沙耶と仲良し?」 「沙耶ちゃん? まあ、芽依の親友だしよく話すけど? 何で?」 「ううん。 好きなのかって思ったの」 「ふぅーん? ヤキモチか」 「えっ? ヤキモチ?」 「違った?」 「…そうかもしれない。 真城を取られたら悲しいかも」 「ふぅーん? じゃあ、彼女にしてやろっか」 「えっ? 本当に?」 「ん、冗談」 「えぇー またそんな風にからかう!」 「じゃあ、キスしてみる?」 「真城がしてくれるなら、いいよ」 「…ふぅーん? そんなに簡単にしないけどな」 「えぇー 何でそんな風に意地悪するのよぉ」 「芽依、学校もうすぐだぞ」 「真城ぉー どうしたらキスしたくなる?」 「芽依が俺を落とせばいいんじゃない?」 「口説くって事?」 「まあ、そうだな」 真城が面白そうにそう告げると、芽依はニコッと微笑んでこう宣言した。 「じゃあ、惚れさせる! そうすればキスしたくなる?」 「芽依は恋愛したことあるの?」 「えっ‥ そ、それは‥」 芽依が恋愛したことあるはずがないのを知っている俺は、フッと笑う。 「芽依は無鉄砲だな」 「えっ‥ どうして?」 「恋愛をしたことがないのに無謀な事に挑戦しようとする。 その試みの熱心さは恐いぐらいだよ」 真城がそんな風に述べていると、芽依はこんな風に聞いてくる。
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