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部室に案内された透は、少し不思議に思って覚悟に聞いた。
「いまは誰も来ていないんですね?」
覚悟は頭をポリポリとかくと。
「実は、まだ誰も部員がいないんだ。
お前が部員第一号さ」
透は少し驚いたが、この大学でダンスサークルの話を聞いたことがなかったので、なんとなく納得した。
「じゃあ、部員集めをしなくちゃいけないですね。
さすがに覚悟さんと僕だけじゃ、活動しにくいでしょうし」
「そうだな、確かに部員集めをしてから、サークルの活動方針や目標を決めようと思っていた。
しかし、すでにネットの募集で、サークルに入ってくれるやつが二人いるんだ。
今日が初顔合わせなんだが、もうそろそろ来るはずだ」
覚悟はニヤリとすると。
「二人とも女の子だぞぉ」
と透の肩を肘で突っついてきた。
覚悟は「女の子」と聞いて、透が興奮するだろう思ったのだろうが、透には何の感慨もなかった。
覚悟が時計を見て「そろそろだな」と、一人で呟いたとき、部室のドアが開いた。
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