ムーブ3

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二人がまるで火花が散るかのような見つめ合いをしているなか、部室の ドアが叩かれる音がした。 ドア付近にいた雷華がドアを開けると、そこには目を見張るような美しい女性が立っていた。 黒髪の長髪で、清楚な顔立ち。 ちょうどいいくらいの凹凸と長い手足。 誰もが完璧を連想させるような美しさがそこにはあった。 透と覚悟が息を飲んでいるのを見て、ムッとなった雷華は「あんた誰?」と、ぶっきらぼうに女性に聞いた。 女性は雷華を一瞥するとフンっと鼻であしらい、雷華を通りすぎて部室の中まで入ってきた。 そして辺りをぐるっと見回した後、透を向いて挨拶をした。 「はじめまして。  あなたがサークルの部長さん?  私は戸田真由美、よろしくね」 そう言われて、透は顔を赤らめながら覚悟のほうを指刺した。 真由美は「あら失礼」という顔をすると、覚悟の方に向き直り、改めて挨拶をした。 「あらてめてはじめまして、部長さん。  いきなりだけど、わたし副部長になりたいの。  まだ決まってないなら、是非お願いしたいわ」 ある意味、おしとやかな外見にそぐわず、図々しい態度に3人はポカンとなった。 覚悟が真由美に返事を返そうとした時、それを制止するように雷華が真由美に近寄りこう言った。 「あなた、挨拶の次に言うことがそれ?  入って来ていきなり副部長にしろなんて、図々しいにもほどがあるわ。  頭おかしいんじゃないの?」 「初対面の相手に「あんた誰?」なんて、失礼なことを言う人に言われたくありませんね」 真由美はそう言うと髪をパサッと掻き揚げた。 部室に緊迫した空気が流れる。 覚悟は少しイライラした面持ちで女子二人を見ている。 透は雷華と真由美が同じ部員だと思うと、これから先が思いやられると思った。
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