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覚悟の提案で次の週の同じ時間に、透、雷華、真由美が集められ、4人でミーティングをすることになった。
議題はサークルについての概要である。
一同が着席し、覚悟が息をスゥーっと吸い込むと、大きな声で喋り始めた。
「部員諸君!
今日集まったのは他でもない!
サークルの概要を決める大事なミーティングをするためである!
みんなの知恵と意見で素晴しいものにしたいと思う!
是非協力してくれ!!!」
覚悟の気風は素晴らしいものだったが、言葉は虚しく部室に響きわたり、誰ひとり拍手をするなど、アクションを起こすものはいなかった。
数秒の沈黙のあと、真由美が仕方なさそうに口を開いた。
「まず、みんなの意見を聞く前に、部長はサークルをどういうものにしたいと思っているの?」
覚悟は何の躊躇いもなく。
「楽しいものにしたいと思っている!」
と元気よく答えた。
真由美はハァーと溜息をつくと、また仕方がなさそうな顔になり、立ちあがって喋りだした。
「まず、部の活動内容を決める前に、目標を設定したほうがわかりやすいかもね。
いまのところ部員は4人だけど、チームを組んでショーをするなら4人っていうのは丁度いいと思うわ。
フォーメーションも組みやすいしね。
だから、まずはチームでショーのできる、コンテストやクラブイベントを目標にしたらいいかも。
でも、チームでショーをするなら、みんなのダンスのジャンルは統一しなくちゃいけないわ。
だから、サークルの基本ジャンルを決めた方がいいかも。
サークルの基本ジャンルを決めたほうが、あとあと部員が増えた時に全体練習もできるし、ねずみ算式に技術を 伝えてくこ ともできるわ。
そうね。
まずはサークルの基本のダンスジャンルを決めたらどうかしら?」
淡々と語った真由美の顔を見ながら、透は「おおー」と感嘆の声を漏らした。
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